自衛隊は軍隊ではないの?

  • 2017/03/20
  • ライフスタイル・娯楽
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自衛隊は軍隊ではありません

2017年3月10日、5年の長きにわたって実施されてきた、南スーダンでのPKO活動に従事する陸上自衛隊の撤退が発表されました。現実的に戦闘が行われているとされる地域での活動継続は困難と、政府中枢が判断したものと思われます。

さて、義務教育時代から高校あたりまで、日本には軍隊がないと教えられています。いまのオヤジ世代もそう習っているはずです。1945年8月の敗戦を機に、日本陸軍と日本海軍は武装解除が進み、順次各組織が解体され、陸軍省と海軍省は第一復員省と第二復員省に改組となり、統合ののち消滅します。

2017年3月10日、5年の長きにわたって実施されてきた、南スーダンでのPKO活動に従事する陸上自衛隊の撤退が発表されました
現在、国家の防衛と沿岸警備の任は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁が担当しています。このうち、海上保安庁は警察組織です。では、3つの自衛隊は何の組織なのか?

ここが問題ですが、特別職国家公務員である自衛官を主体とする自衛隊員からなる「専守防衛組織」という、日本にしか存在しないのではないかと考えられる組織です。防衛省の職員もほとんどが自衛官ではないものの特別職国家公務員である自衛隊員であり、自衛隊員ではない一般職国家公務員は極めて少数です。ここが他の省庁と大きく異なる点です(防衛省ホームページに掲載されている平成28年版防衛白書のデータでは、2万人を超える書記官や事務官等の中で、定員内の一般職職員はわずか29人です。)。

そして、日本国憲法上で自衛隊は軍隊ではありません。戦車や戦闘機、戦闘艦艇を持っていても軍隊ではないのです。しかし、そんな理屈は海外では通用しません。というか、通用してはならないのです。極端な話、軍隊ではないのなら隊員は軍人ではなく民間人と同じになってしまいます。民間人が軍事行動を行うことは、どこの世界でもご法度です。

結局、海外では自衛隊は一般に日本軍と認識されており、陸上自衛隊は日本陸軍であり、海上自衛隊は日本海軍なのです。ソマリアの海賊相手に「我々はジャパン・セルフ・ディフェンス・フォースである」などと言っても理解されないでしょう。「こちらはジャパニーズネイビーである」と名乗るから相手も逃げて行くというものです。そのような話を見た記憶があります。

日本国憲法上で自衛隊は軍隊ではありません。戦車や戦闘機、戦闘艦艇を持っていても軍隊ではないのです。

いつまで続くこの矛盾

国内では軍隊ではないとされ、海外では軍隊として扱われる。それが自衛隊という組織です。しかし、日本国憲法下で内閣総理大臣を最高指揮官とする組織である以上、日本の国内法に従って、シビリアンコントロールで行動することになります。その結果、海外では認識されているとおりの行動ができないという現実があります。

諸外国の軍隊から見れば、なぜ日本軍は軍としての責任を果たさないのか?と疑問に思われても仕方ありません。自衛隊の宿営地を警護する外国軍という報道もよく知られています。そもそも、軍隊であるか否か以前に、専守防衛という概念が、通常の国家や軍隊には理解を超えている理念なのでしょう。

専守防衛とは、基本的に「撃たれるまで撃ってはならない」ということです。弾道ミサイル発射の兆候を察知した時の先制攻撃が専守防衛に含まれるかとの議論などで、多少は前に進んでいる部分もあるようですが、基本的には正当防衛に準じる場合にしか実力を行使できません。そのため、長年にわたりスクランブル発進する航空自衛隊の戦闘機は、1機が撃墜された場合に、もう1機が反撃できるという覚悟の中で中国やソ連ロシアの領空侵犯に対処しているといわれています。

専守防衛とは、基本的に「撃たれるまで撃ってはならない」ということです
戦争なんかしたくないのは誰でも同じです。しかし、軍隊と呼んだら戦争が起きるという単純な話ではありません。世界情勢がきな臭くなっている時期だからこそ、この問題を少し考えてみる価値はあると言えます。議論しないで臭いものにフタという姿勢が一番危険です。

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